ボクシングIBFバンタム級新王者・西田凌佑がジム練習を再開「勝ち続けて知名度あげる」
プロボクシングIBF世界バンタム級王者の西田凌佑(27=六島)が大阪市住吉区の六島ジムでジムでの練習を再開した。西田は5月4日に大阪で前王者エマヌエル・ロドリゲス(31=プエルトリコ)に判定勝ちし、9戦無敗で新王者に就いた。リングに上がるとシャドーボクシングや武市晃輔トレーナーを相手にミット打ち軽くこなし、サンドバックを叩いて終了した。
「ジムで体を動かすのは1ヵ月ちょっとぶり。嫁さん(沙捺夫人)の実家に帰ったときにちょこちょこ動いていたので、そこまで動けないとかはないです」と西田。この1ヵ月は沙捺夫人と2人で2泊3日の韓国旅行と夫人の地元の静岡・浜松に帰るなど、約1週間を“嫁さん孝行”に務めた。さらに3月に生まれたばかりの長女・莉奈ちゃんの夜泣きをあやし「ミルクをあげると泣き止むんですよ。(パパとしての務めが)やっとできているな」と話して笑顔を見せた。
現在はバンタム級リミットのプラス10キロの63キロ。「減量の幅が大きいと落としづらいので61キロにはしたい。3食食べてるんですけど、1食をバナナ1本にしたりしてます」と節制を始めていることも明かす。秋にも予定される初防衛戦は具体的に決まってはいないが「試合が決まっていない期間は自分の動きの確認を。武市さんの追い込み練習でスタミナを強化していきたい」と言う。初防衛の後は世界バンタム級のベルト統一に向かう。「やりたいなって気持ちは変わらずあります」とキッパリ言ってのけた。
世界王者になってさまざまなイベントに呼ばれる機会が増えた。5日は六島ジムから1キロ北に向かった先にあるヤンマースタジアム長居でルヴァン杯・C大阪―町田戦に招待された。ハーフタイムでC大阪の森島晃寛社長から激励を受けたが「自分が出てから逆転されちゃったので、悪いなぁって気になりました」と王者は恐縮していたが、枝川孝会長に「これも勉強や。途中まで勝ってたのに一気に変わるんや。ボクシングにも通用する。途中まで勝ってても、そこからボーンとやられるのはゼロじゃない」と諭されてうなづいた。
セレッソ戦を始め、新王者としてイベントやラジオで話す機会が増えた西田は「試合以外は凄く緊張する。新王者として知名度を上げるために、一番は勝ち続けること。一戦一戦勝ち続けていけるように頑張りたい」と力強く話した。
◇西田 凌佑(にしだ・りょうすけ)1996年(平8)8月7日生まれ、奈良県香芝市出身の27歳。香芝中では陸上部で長距離に励んだ。王寺工でボクシングを始め、3年時に国体フライ級優勝。近大時代を含めてアマ戦績37勝(10KO)13敗。卒業後は製パン大手に就職するが、退職してプロ転向。19年10月にタイでデビュー。21年4月の4戦目で元世界王者の比嘉大吾に判定勝ち、WBOアジアパシフィック・バンタム級王座を獲得(防衛3)。23年8月にIBF世界バンタム級挑戦者決定戦を制した。1メートル70の左ボクサーファイター。
スポニチです