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2023.10.26 610gym

六島ジム後援会発足で待遇改善へ「ボクシングに集中できる環境を」日本王者も飲食店で週6勤務

ボクシング元WBA世界スーパーフライ級王者・名城信男らを輩出した六島ジム初の後援会が今月1日に発足し、25日に大阪市内で会見した。

 サッカー元日本代表MF本田圭佑と約15年来の親交があり、現在も本田の税務顧問を務める「みのり税理士法人」代表の辻正夫氏が後援会長に就任した。

 辻氏は「阪神タイガースの大ファンでスポーツ大好きだが、ボクシング含め格闘技に興味はなかったが、縁がつながった。多くのボクサーは試合直前まで減量しながらアルバイトしているのが現状。ボクシングに集中できる環境を作りたい、応援してやりたい思いでこうなりました」と経緯を説明した。

 辻氏が代表を務める会社は、約1200社との顧問契約を結ぶ。その強いパイプから、スポンサー契約を結ぶ狙い。六島ジムの関係者は「(アマチュア)エリートではない、若い選手を育てたい。その選手を集めるには資金が必要。スポンサーの(目標)額は1億円」と掲げた。同ジムでは将来的に選手へファイトマネーとは別に月額を支給し、ボクシングに専念できる環境作りを目指している。

 ボクサーの現実は過酷だ。世界挑戦も見据えるWBOアジアパシフィック・バンタム級王者の西田凌佑は現在も実家の鉄工所で週5日、午前10時-午後4時の勤務。日本ミドル級王者・国本陸は飲食店で週6日働いて、生活費を得ているという。

 西田は後援会発足に「よりボクシングに集中できる環境になるのはありがたいです。自分次第で結果も変わってくる。自分が世界王者になってジムを盛り上げたい」と感謝した。

 いずれは“モンスター”井上尚弥のように。拳ひとつで稼げる世界は夢がある。ただ、それをかなえられるのはほんのひと握りどころの確率ではない。夢を追うには「金」がいる。その土台作りへ、ボクシング新時代に向けた挑戦はさまざまな形で始まっている。【実藤健一】

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