アジア2冠の国本陸がKO防衛
「ボクシング・日本、WBOアジアパシフィックミドル級タイトルマッチ」(31日、名古屋国際会議場イベントホール)
【写真】こん身の力を込めた国本のパンチが炸裂
アジア2冠の国本陸(26)=六島=が日本1位の可兒栄樹(22)=T&T=の挑戦を6回1分53秒、TKO勝ちで退けて防衛に成功した。
本来、英大手プロモーション「マッチルーム」が共催するミドル級トーナメント「プライズファイター」の1回戦として行われる予定だったが、トーナメントが延期となり、「(高額な)ファイトマネーもそうだし、外国人とできるのもめっちゃモチベーションが上がっていた」国本は「え?」と落胆したという。モチベーションに大きく影響し、可兒の動画も見ず、「正直ナメてました」と告白した。
試合では「僕の研究をめちゃくちゃしてきてるなと、やりながら思いました。打ち終わりにちゃんと返したり、前の手を押して打てないようにしたり、僕の嫌なことをめちゃくちゃしてくるなと思いました」と振り返った通り苦戦したものの、6回開始早々にワンツーを効かせて右の打ち下ろしてダウンを奪い、ラッシュしたところでレフェリーが試合をストップ。国本は今後の目標として、2021年に唯一の黒星を許している東洋太平洋王者・竹迫司登にリベンジしてのアジア3冠を挙げていた。
日本ヘビー級王者の但馬ミツロ(29)=KWORLD3=は、アレクサンドル・ジュール(38)=ルーマニア=と224ポンド(101・6キロ)契約8回戦で激突。WBCがヘビー級とクルーザー級の間に新設したブリッジャー級(リミット101・6キロ)で但馬は世界23位、ジュールは29位にランキングされている。
但馬は2回、右アッパーでダウンを奪われ、3回には右ストレートからの左アッパーでよろめくなど苦戦。以降は組み合う場面も増え、最終8回には左目を大きく腫らしてドクターチェックも受けた。結果はジャッジ三者とも79-72をつける判定負けで、11戦目でプロ初黒星を喫した。但馬は試合後に病院に直行した。
高校時代に国体を制した森脇龍星(19)=KWORLD3=はデビュー戦を迎え、パークプーム・タウィンラム(20)=タイ=とバンタム級6回戦で対戦。1歳上だがキャリア16戦のパークプームから2回、左ショートでダウンを奪い、ラッシュで大の字に伸ばして2回1分7秒、TKO勝ちした。「サウスポーが相手だったのでやりにくかったが、倒せて良かった」と喜んだ。
ともにアマチュアで実績がある者同士のライト級8回戦は、英豪(23)=LUSH緑=が日本ライト級9位の竹島宏心(28)=KWORLD3=に2-0の判定勝ち。プロ2戦目で日本ランカーを食った英豪は「命かけて練習してきたので、何とか勝ててホッとしてます」と安堵(あんど)していた。
デイリースポーツです