15日大阪で初防衛戦に望むIBF世界バンタム級王者・西田凌佑が練習公開 KOパンチほぼ完成!?
プロボクシングIBF世界バンタム級王者の西田凌佑(28=六島、9戦全勝1KO)が3日、大阪市住吉区の所属ジムで練習を公開した。15日に同区の住吉スポーツセンターで同級14位アヌチャイ・ドンスア(28=タイ、16戦全勝7KO)を相手に初防衛戦に臨む。試合の模様はU―NEXTで独占ライブ配信される。
「(アヌチャイは)打ったら打ち返してくるしムダに前に出てこない。カウンター(狙いで)待ちの選手。倒しにいくとパンチをもらう。自分のボクシングは崩さないようにしたい。自分としてはKOしたいし、狙ってはいるけど。力ずくでは倒せない」
5月の世界初挑戦は王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に判定勝ち。4回に左ボディーでダウンを奪い、その後も近い距離で激しく打ち合い、かなり顔を腫らしながら不利との下馬評を覆した。ただ、あの好戦的なスタイルは西田が言う“自分のボクシング”ではない。世界ベルトを獲るために必要な戦術として敢行しただけ。「前回は自分の戦い方では通用しないと思った。今回は自分のボクシングをやって、通用しないと思えば前回みたいに前へ出て、倒しにいくことになると思う」と説明した。
もともと守備に定評がある。世界挑戦経験がある大森将平(ウォズ)をプロ3戦目で、元世界王者の比嘉大吾(志成)をプロ4戦目で破った。高い攻撃力がある2人を巧みな距離のとり方や、立ち位置などで空転させ、ダウンを奪わなくても判定で完勝。ベルトを巻いてしまえば難攻不落、長期政権を築けそうなタイプだ。その本来のスタイルに軸足を置きつつ、チャンスがあればKOを狙う構え。
コンビを組む武市晃輔トレーナーが同意する。「攻撃重視になればダメなところが出て、西田のボクシングが崩れる。殴り合うだけがボクシングじゃない。戦績的にも倒し屋ではない。“玄人好みのボクシング”というか、ボクシング技術の部分をファンの方には見てほしい。もちろんチャンスがあれば(倒しに)いくが、西田のボクシングを崩してまで、いく気はない」。また、セコンドから指示を出す立場として「どれだけ手綱を引けるか、その役目を意識している」と攻撃的になり過ぎないよう制御することを宣言した。
ただ“塩試合”にするつもりはない。バンタム級はIBFの西田以外にも、WBAは堤聖也(角海老宝石)、WBCは中谷潤人(M.T)、WBOは武居由樹(大橋)が王座に君臨し、統一戦実施が期待される。先を見据えて存在をアピールする必要がある。陣営は「必殺パンチ」を用意した。武市トレーナーはもちろん詳細を明かさないものの「おそらく、これができたらKOできるんじゃないか、という攻撃パターンを作っています」と断言した。
枝川孝会長は「武市の作戦がハマればKOはあると思う。(9戦全勝で)1KOの男ですが、以前よりパンチ力がついた」と期待する。また、今後について「今は地味でいい。最後に西田が上に立てれば。まだ今回がプロ10戦目、のびしろはある。徐々に力をつけていけばいい。最後に4団体統一できれば」と着実な成長を見守る構えだ。
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