WBOAPバンタム級王者の西田凌佑が12・19初防衛戦「勝って上を」 海外プロモーターとの契約も浮上
プロボクシングのWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級王者・西田凌佑(25=六島)が7日、大阪市住吉区の所属ジムで会見し、12月19日に住吉区民センターで同級11位の挑戦者・大橋哲朗(22=真正)を相手に初防衛戦に臨むと発表した。「チャンピオンという肩書きになったけど、ベルトを守る気持ちはない。しっかり勝って上を目指したい」と意気込んだ。 今年4月に沖縄で比嘉大吾(志成)からベルトを奪った。かつてフライ級でWBC世界王座を保持したパワータイプの相手にひるまず攻め、最大8点差をつけて判定3―0で完勝。国内最速タイとなるプロ4戦目で地域タイトルを獲得した。5月末にはベルトが手元に届き、周囲からも祝いの品を贈られ「実感しました」。プロ3戦目の大森将平戦、そして前回と劣勢の下馬評を覆した。今回は優勢と言われる状況でリングに上がる。「大橋選手はスピードもテクニックもあり強い。しっかり仕上げないと負ける」と慢心はない。 現在、西田の世界ランクはIBF11位、WBO15位。ただ、バンタム級の世界戦線はWBA&IBF統一王者の井上尚弥(28=大橋)を中心にWBC王者ノニト・ドネア(38=フィリピン)、WBO王者ジョンリール・カシメロ(32=フィリピン)の間で4団体統一を期待する声が高まっており、挑戦者が割って入りにくいのが現状だ。武市トレーナーは「この階級はとんでもない選手がいる。それでも西田の立場としては、いつ戦う機会が来てもおかしくない。今は全体的な底上げに努めている。まだキャリア4戦。苦しい試合や、いろいろ経験が必要」と説明。世界初挑戦に備え、力を蓄える時期だと捉えている。 将来の飛躍につながりそうなオファーも届いた。ジム関係者によると、米大手のゴールデンボーイ・プロモーションズで最高経営責任者を務めていたリチャード・シェイファー氏が新たに設立した「プロベラム」から西田と契約を結びたい旨の連絡があったという。プロベラムは前出のドネアや、スーパーライト級の世界4団体王者ジョシュ・テイラー(英国)など有力選手を抱える。契約に至ればファイトマネーは「ケタが違ってくる」といい、「海外で活躍する選手を育てたい」意向を持つ六島ジムでは現在検討中。 ベルトをつかみ、夢のある話も飛び込んできたことで西田は「世界を目指したい」と意欲を一層かき立てられた様子だった。 また、12月19日の興行には日本ミドル級1位の国本陸(24)が京原和輝(久留米櫛間&別府優樹)と対戦する。国本は今年5月にタイトル初挑戦するも、日本王者の竹迫司登(ワールドスポーツ)に1回KO負け。だが指名挑戦者として来春開催見込みのチャンピオンカーニバルで竹迫への再挑戦が決まっている。ダイレクトリマッチの前に再起戦を挟み、勢いづけたいところ。「竹迫さんはパワーがあるというより、当てるのがうまい印象。ソッコーで負けたけど、やる時は“いける”と思ったところもあった」。王者に再挑戦するまでにしっかり立て直すつもりだ。
スポーツニッポン