西田凌佑「ビッグバン」中谷潤人に「ブラックホール」で対抗 6・8統一戦

プロボクシングIBF世界バンタム級王者の西田凌佑(28=六島)が29日、大阪市内の所属ジムで会見し、6月8日に行われるWBC世界同級王者の中谷潤人(27=M・T)との王座統一戦(東京・有明コロシアム)への意気込みを語った。
西田は心待ちにしていた中谷との対戦を控え「世界チャンピオンになったけど、自分より強いチャンピオンがいるので、そこに普通に挑みたい気持ちでいた。初防衛をクリアしてから、1番強い中谷選手とやりたいと思っていた」と念願かなって実現した試合への思いを語った。
西田は中谷戦を「全てのパンチが強い。まずもらわないっていうのを1番警戒したい」とイメージ。持ち前のディフェンス面を強調しながらも、武市晃輔トレーナーは「無策で勝てるような相手じゃない」と秘策も準備して臨む考えを明かした。
ここから試合までは、世界ランカーとのスパーリングを重ねていく。長身サウスポーの“仮想中谷”を探すのには苦労したが、枝川孝会長がインスタグラムのDMも駆使して確保。フェザー級の米国人イライジャ・ピアース、スーパーバンタム級の英国人デニス・マッカンを相手に調整することに。西田は「スタミナ練習は結構やってきたので、世界ランカーの選手との実戦で、よりいい感覚をつかんでいきたい」と話した。
家では3月に1歳になった長女莉奈ちゃんとの時間を過ごしながらも、全日本女子選手権バンタム級3連覇の実績を持つ妻沙捺さんとイメージトレーニングを重ねている。「妻もサウスポーなので、サウスポーとしての意見をもらったりしている。このポジションが嫌かなとか。今回は結構相談しています」。実際に対峙(たいじ)しながら、貴重なアドバイスを受けているという。
この試合では、新ニックネームも背負って戦うことになった。中谷の「ビッグバン」に対して付けられたのは「ブラックホール」。枝川会長はそのイメージを「(ブラックホールは)光を通さない、(西田は)中谷のパンチも通さない。西田は謎めいてるところもある。西田の世界に入っていくというか、吸い込まれていく。そういう意味で」と表現。攻めの中谷と守りの西田による矛盾対決に合わせて、名付けられた。楽しみにする大一番を前に西田は「自信はあります」とキッパリ。中谷を自分の世界に引き込み、秘策で倒すことを力強く誓った。
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