西田凌佑がWBOアジアパシフィック王座初防衛 大橋哲朗に判定３－０でデビュー５連勝
◆プロボクシング ＷＢＯアジアパシフィック・バンタム級（５３・５キロ以下）タイトルマッチ１２回戦 ○王者・西田凌佑（判定）同級１１位・大橋哲朗●（１９日、大阪・住吉区民センター） ＷＢＯアジアパシフィック・バンタム級王者の西田凌佑（２５）＝六島＝が判定で同級１１位の大橋哲朗（２４）＝真正＝を破り、無敗での初防衛に成功した。サウスポー対決で強烈な左を上下に打ち分けて、３―０で快勝した。戦績は西田が５勝（１ＫＯ）、大橋は８勝（２ＫＯ）３敗１分け。 リードジャブを放つたび、西田の右拳を貫いた激痛は、ほとばしるアドレナリンがかき消してくれた。１１ラウンドまで試合を支配。陣営に最終ラウンドを安全運転で乗り切るよう指示されたが、王者は気がつけば足を止めて大ぶりのパンチを右に左に打ち続けていた。３―０の完勝初防衛にも「空回りして力が入りすぎました」と反省が口をついた。 今年４月にＷＢＯアジアパシフィック・バンタム級王座を奪取。しかし激闘の直後から右手首のじん帯に痛みを感じていた。先月に初防衛戦のオファーを受けたが、しばらくは右腕が使えないまま練習していた。陣営も「前回と比べて別人かと思うくらい」と不安を抱えた中での闘いだった。 この日はリングサイドから元ＷＢＡ世界スーパーフライ級王者・名城信男氏（４０）のゲキを受けた。同じ奈良県出身で、自身は王寺工、名城氏は奈良工で同じ高見公明監督の薫陶を受け、同じ近大、同じ六島ジムへと進んだ。陣営は「名城が西田の師匠や」と両王者をたたえたが、西田は「ミットを持ってもらったこと、１回しかありません」と打ち明けて笑わせた。 「しばらくは治療に専念したい」と西田。陣営は「コロナ禍の状況次第やけど、海外に行くこともそら考えてるよ。次戦は来年夏くらいかな」とＶ２戦だけでなく、世界初挑戦にも含みを持たせた。 ◆西田 凌佑（にしだ・りょうすけ）１９９６年８月７日、奈良・香芝市出身。２５歳。香芝中では陸上部で長距離選手。王寺工でボクシングを始め、３年時に長崎国体フライ級優勝。近大を含めアマ戦績５３試合３７勝１６敗。１９年にプロ転向。今年４月２４日にＷＢＯアジアパシフィック・バンタム級王者の比嘉大吾を破り王座奪取。１７０センチの左ボクサーファイター。
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