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2024.12.11 610gym

西田凌佑、初防衛戦へカウントダウン

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IBFバンタム級チャンピオン西田凌佑(六島)の初防衛戦が迫る。15日、地元の大阪・住吉スポーツセンターでアヌチャイ・ドーンスア(タイ)を迎える。バンタム級日本人王者で最後の出撃となったチャンピオンに求められるのは、ずばりアピールだ。

 西田が初挑戦で世界タイトルを獲得したのは今年5月4日。実力派王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に判定勝ちを収めたものだ。9戦目でのチャレンジに戦前は不利予想が立ったものの、ふたを開けてみればダウンも奪う内容で見事殊勲をあげた。そしてこの2日後に武居由樹(大橋)が東京ドームでWBO王座を獲得し、日本に4人の世界バンタム級チャンピオンが並ぶことになったのである。

 その後、バンタム級戦線はうねりながらも日本の独占状態に変わりはない。WBCの中谷潤人(M.T)は一戦ごとにスケールアップしていまやS・バンタム級王者井上尚弥(大橋)とのビッグファイトが語られるようになった。WBAはこの中谷と統一戦計画のあった井上拓真(大橋)が堤聖也(角海老宝石)に判定で敗れ、チャンピオンが交代。そしてWBO武居は初防衛戦で比嘉大吾(志成)との死闘を制し、今月24日にはV2戦に臨む。ロドリゲス戦から約7ヵ月となる西田にとって、待ちに待った出番なのだ。

 西田は試合の発表会見でこう言ったものだ。「自分は4人いるバンタム級の世界王者の中では存在感が薄いので、防衛戦は内容が求められると思う」。タイの刺客を相手に勝つだけでなく、いいボクシングを見せることを誓っている。

 ライバルの3団体のチャンピオンがいずれも印象的な試合をしていることは、西田も承知している。「世界チャンピオンになったいまはもう守りだけじゃなくて、行きたいなと思っていますね」。といっても自分のボクシングを崩しては本末転倒。打たせず打ってアヌチャイをコントロールし、多彩な攻撃パターンでフィニッシュするのが理想的な展開だ。

 大森将平、比嘉大吾、クリスチャン・メディナら実力者を破って台頭してきた試合を見ても分かるように、相手に当てさせないボクシングが西田の持ち味だが、ロドリゲス戦の経験はチャンピオンに確かな自信を与えている様子。自分の力が世界レベルで通用することが分かり、「多少危ない距離に行ってもいけるんじゃないかなと思うようになりました。アヌチャイ戦ではそれをたしかめたい」と西田は言う。

 もともと、やりづらいサウスポーとしての評価は高いものがある。ここまで9勝(無敗)のうちKOは1度だけだが、ある試合を境に、まるで倒すコツをつかんだかのようにKOが増える例はいくつもある。そういう期待もあってか潜在能力の面でも西田を買う声は多いのである。今回しっかりアヌチャイを撃退すれば、来年のバンタム級ウォーズは非常に面白くなるに違いない。

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