計量パスしたIBF王者の西田凌佑「得意な距離で当てさせない」今度は守備力を発揮
プロボクシング興行「U―NEXT BOXING」(15日、大阪・住吉スポーツセンター)の前日計量が14日、大阪市内のホテルで行われた。
メインイベントのIBF世界バンタム級タイトルマッチは王者の西田凌佑(28=六島、9戦全勝1KO)がリミット53・5キロを200グラム下回る53・3キロ、挑戦者の同級14位アヌチャイ・ドンスア(28=タイ、16戦全勝7KO)が500グラム下回る53キロで、ともに一発パスした。フェースオフでは約30秒間、視線を交錯させた。
西田は5月に王者だったエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)から4回にダウンを奪うなど12回判定3―0で勝ち、世界初挑戦でベルトを巻いた。今回が初防衛戦となる。計量後は経口補水液で渇きを癒やし、沙捺夫人の特製おじやなどを食べた。「体調を崩さず、体重(調整も)完璧でした。水分をとりながら、最後まで食べながら練習できた」。減量方法を見直して水分と食事のバランスを変え、前回よりスムーズだったという。バンタム級で活動を続ける手応えをつかんだかと問われ「あとは実際に試合で動きがどうか。前回は足を止めて打ち合うような形でしたけど、途中で少し足がつりそうな感覚はあったので…」と本番で慎重に見極める構え。
9戦全勝ながらKOはデビュー戦の1度きり。世界挑戦経験を持つ大森将平をプロ3戦目で、元世界王者の比嘉大吾をプロ4戦目で破った。どちらも巧みな距離感などで空転させてダウンを奪わないまま判定勝ち、高い守備力を示した。一方で今年5月は近距離の激しい打撃戦を制し新境地を切り開いた。「今回は今まで通り自分のボクシングをして、得意な距離で(相手にパンチを)当てさせない。チャンスがあればKOしたい」と方針を示した。
挑戦者アヌチャイはムエタイで約100戦の経験を持つ。ボクシング転向後は16戦全勝、IBFの地域タイトルを獲得して世界初挑戦の機会を得た。母国タイ以外での試合は今回が初めて。西田の印象について「多少、背が大きいなという程度で特に印象はない」と述べた上で「あとは試合を待つだけ」と話した。普段は60キロ以下でリングに上がっているそうで、今回も大幅に体重を増やすことはないという。
試合の模様はU―NEXTで独占ライブ配信される。
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